恋は秘密のその先に

「どうかしましたか?」
「ええ。ついに作戦実行よ」
「作戦って?」
「いいから。ちょっと」

 カレンは部屋から真里亜を連れ出し、化粧室に行く。

「んー、まずはヘアスタイルね」

 カレンは鏡の前に真里亜を立たせると、両手で真里亜の髪を束ね、ねじりながらアップでまとめる。

 自分のバッグの中からキラキラとスワロフスキーが輝くヘアクリップを取り出すと、真里亜の髪を挟んで留めた。

「あとは、このショール!」

 カレンにサッとショールを取り払われ、真里亜は焦って抗議する。

「カレンさん! だめですって!」
「何がだめなのよ? こんなので隠してる方がよっぽどだめよ。マリア、あなた日本のAMAGIコーポレーションを背負って来てるのよ? それなのにこっちの人達に、うわー、ダサい! って思われてもいいの?」
「うっ、それは困ります」
「でしょ? だったらこれでいいの。はい! 早く会場に戻るわよ。欧米の男達にマリアを見せつけてやって、フミヤをギャフンと言わせてみせるんだから!」

 あ、そういうことなのね……と、真里亜は小さく頷く。

「でも、私はカレンさんみたいな魅力的な女性ではないので、そんな展開にはならないと思いますけど……」
「あらやだ! だったら試してみましょうよ。誰かがあなたに言い寄って来たら私の勝ち。いいわね?」

 カレンの勢いに呑まれて、真里亜はまた会場に連れ戻された。