【短編】メルティングギフト

「嫌いではないけど、特別好きってわけでもないかな。この色しか残ってなかったから仕方なく選んだだけというか」

「あぁ、そういうこと。他は何色があったんですか?」

「ピンクとオレンジ。本当はオレンジが欲しかったんだけどねー、子供用しかなくって」



内心あたふたしつつも笑顔で答える。


一瞬、なんで緑? と思ったけど、小物類は好みが表れやすいんだっけ。

お洋服は機能性や実用性で選ぶこともあるから、100パーセント自分の好みとは限らないもんな。


ん? 待てよ? だとすると……。



「久代くんは茶色が好きなんだ?」

「そうですね。昔から落ち着いた色が好きです。紺とか深緑とか。なので同級生からは渋いなってよく言われてました」



テーブルの下で小さくガッツポーズをした。

深みのある色やベーシックカラーが好き。そして見た目も中身も大人っぽい。



「いただきます」

「いただきます!」



忘れないよう海馬にしっかり叩き込んだところで、ランチタイムスタート。

箸を持ち、おかずに視線を落として。



「わぁ〜! サイコロステーキだ〜! やった〜!」