【短編】メルティングギフト

長椅子に座り、深呼吸を繰り返す。


焦らず急かさず。

仮に上手くいかなかったとしても、まだ時間は残っている。2回目3回目とリベンジすればいい。

落ち着いてやればきっと大丈夫。


息を吐き切ると、タイミング良く久代くんがやってきた。

向かい合わせになり、巾着袋から弁当箱を取り出す。



「わぁ、久代くんのお弁当箱オシャレだね〜」



中身を見せ合う前に容器に目を奪われてしまった。


木目調デザインのシンプルな1段弁当。
色は赤茶色で、温かみを感じつつも、高貴な雰囲気を醸し出している。

対する私は、蓋に犬のキャラクターがプリントされたミントグリーンの2段弁当だ。



「ありがとうございます。先輩のは可愛らしいかんじですね。緑が好きなんですか?」

「へ? あぁ、えっと……」



突然の問いかけに言葉が詰まる。