人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜

僕にもあったっけ……。



あの親子が過去の自分たちのように見えてしまって、なんだか心苦しくなってしまう。



あの時、優しく僕の手を握りしめてくれた母さんの温もり。



今でも忘れない。



母さんの大きな手は僕を守ってくれてるみたいで、安心感があった。



けど……今日、

その手に温もりなど感じなかった。



感じたのは痛み。



そして、睨みきかした眼差しから溢れる冷酷な感情。



鳴り止まない携帯のように、

僕の心は悲鳴をあげていた。



このまま、不良になってやろうか。



タバコ吸って、酒呑んで、朝帰りして。



髪染めて、ピアスして……。



なんてバカなことまで考えたものだ。