いつの間にか教室内は僕一人だけになり、熱く煮え切ったような感情が沸々と込み上がってくる。



たくさん思うことはある。



何でこんなに親の言う通りにしないといけないのか。



人生の先輩として?



自分の失敗を子にさせないよう?



母さん達が僕に当てつけのように、

進路を決めていくのが不愉快で嫌だった。



そのせいで、

夢やしたいこともろくに考えれず、

おまけに兄ちゃん達と比べられ、

小言を言われる始末。



僕は母さん達のことを心の底から大好きなんて、到底思わない。



むしろ、大っ嫌いだった。



「おっ!一ノ瀬いたか?ちょっと手伝ってくれ」



一度、職員室に戻っていた今田は三者懇談をするため、教室内にある机を並べ始めた。



言われるがままに、後に続いて机移動を手伝い、あっという間に配置は完成された。



もうすぐすると、母さんがやってきて、

僕の三者懇談が始まってしまう。


不安をよそに、待ち時間を教室前の通路で待つことにした。



他のクラスの親達が続々と揃っていく中、

僕の母さんも姿を現し、

定刻の時間となった今、

僕と母さん、今田の三人の懇談は始まった。