第二章



-初めての反抗-









「——えー、明日から冬休みなんだが、ハメ外さない程度に、正月を楽しんでくれ!くれぐれも事故にだけは気をつけるんだぞ……」



「みんな、元気な姿で来年の始業式で会いたいからな!それじゃ、今年も……」



担任の今田が長々と今年最後の挨拶をしている中、窓から見える初雪を横目に、僕は別のことを考えていた。



今日は三者懇談。



担任の今田と母さんを交えて30分もの間、何を話すのだろう。



不安でそわそわする感じに加えて、

険悪感まで覚える始末。



母さんに今田の前で、口うるさく小言を言われるのだろうか。



数時間後の未来が見えるみたいに、

頭の中はそのことでいっぱいだった。



「——じゃあ、今日の面談のトップバッターは一ノ瀬。その次が森本、で次が……」



前々から決まっていた懇談表を今田が読み上げていき、僕は頬杖をつきながら視線を前に向けた。



教壇の上から優しい眼差しで僕とアイコンタクトをとる。



「——それじゃ、また来年だ!良いお年を」



帰りのホームルームが終わり、

クラス中は盛大に冬休み気分に突入した。



何でだろうか。



ヘラヘラするクラスメイト達がムカついてくる。



暖房の効いたぬるっとした室内だってそう、自分の耳に入ってくる雑音や楽しそうに会話する人の声。



全部全部が僕をイラつかせた。