人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜

琴美姉ちゃんは片付けをするため、気持ち良さそうに寝ている航兄ちゃんを起こそうと、横に揺さぶる。



次第に機嫌が悪くなる琴美姉ちゃんに気づいたのか、航兄ちゃんは慌てて重たくなった身体を動かしながら、片付けへと取り掛かっていた。



僕も航兄ちゃんに見兼ねて、テーブル周りの要らない物を捨て始める。



「仁!片付けはやるから。夏実ちゃんとどっか行って来い!」



航兄ちゃんは僕と夏実を気遣うように、笑顔で言う。



僕のきょとんとした顔を見ては、

「いいから早く行って来いって!」と

今度は強い口調で僕に言ってきた。




僕は押されるように返事だけ残し、

夏実も「ごちそうさまでした」と

だけ告げ、二人で外を歩き出すことにした。