「あのさ……あのさ!」



「うん?どした?!」



父さん達は急に会話を遮られ、目を見開いていた。



「実はさぁ……」



航兄ちゃんが何かを言いかける瞬間、皆んなが唾を飲み込んだに違いない。



僕たちは何を言い出すのか、構えるのに必死だった。



「四人目ができた……」



「え?よ、四人目?」



しばらく、父さん達は思考停止していた。



「えぇ〜おめでとう!琴美ちゃん〜」



いち早く反応した母さんは両手を口に当て立ち上がる。



それに続けて、父さんも微笑み、そして祝った。



「ありがとう。でもね、お義母さん!お義父さん、それだけじゃないの!」



「え?どういうこと?」



母さんは琴美姉ちゃんに尋ねる。



「お腹にいるこの子、ついてなかったの!」



「何だ?ついてない?どういうことだ?」



酔った父さんは考えるのもおぼつかない様子だった。



僕と亨兄ちゃんもピンと来ておらず、分かっていたのは母さんだけだった。



すると、母さんは琴美姉ちゃんを抱くようにして、一人だけ舞うようにして喜んでいた。



僕たちはその光景に疑問を覚えていた。




「え!それホントなの?」



母さんは涙を滲ませながら、琴美姉ちゃんに尋ねると、優しく笑顔で頷き返した。