「そっか、自分に嘘をついてないならいいじゃん!

ほんの少し前まで、自分がしたくない夢を追いかけてたのに、今では本気で叶えたい夢になったのなら、俺は夏実を応援するよ」



航兄ちゃんを救えなかった思いを背負って、本気で自分の決めた道を進もうとする夏実がカッコよく見えた。



それに、僕らが夢を叶えて、社会貢献するなんてちっぽけなものなのかもしれない。



それでも、家族や先生たちが繋げてくれた今を大切にして、これから作る未来を華やかにしていきたいと思えた。



「ありがとう。2年生になったら、クラス変わっちゃうけど、仁くんと一緒のクラスになれてよかったよ」



なんやかんや夏実とは、

ぶつかったりもしたし、

笑い合ったりもした。



文系コースに進む僕と理系コースに進む夏実は、ここでお別れ。



クラスが違うだけで学校は一緒。



少しだけしんみりとした空気になったけど、ずっと友達だ。



「うん。俺も!」