下を向いていた僕もすっかり前を向き始め、学校に居た。



今日で一年生が終わる。



「すっかり元気になったなぁ!」と今田は僕の顔色を見て、微笑んでいた。




3月に入ってから、あんまり学校には行けれなかったけど、僕のことを楽しみに待ってくれる仲間がいたから、すぐに前を見ることができたのかもしれない。



それに、僕には夢ができた。



僕にとって、ヒーローみたいな夢。



それは、教師だ。



今田に「先生みたいな先生になりたい」って自分の夢を打ち明けたら、「頑張れ!」って僕の背中を押してくれた。



僕は先生みたいな思いやりのスペシャリストになりたいんだ。



教師生活、三十何年続けてきて、こんなに嬉しいことはなかったのだろう。



少し涙目になっていた。