第三章



-つづく未来-





仲春——



「あら、なっちゃん?!どうしたの?具合でも悪いの?」
 


今日も大勢の患者が先生の診察を待っている中、夏実は両親が働く森本病院に訪れていた。



中に入るなんて、久しぶり。



小さい頃から、可愛がってもらってる看護師の笹山《ささやま》さんは夏実を見てびっくりしていた。



「違うの!ちょっとね、用が……」



「うん?あっお母さんね?今、呼んできてあげるから!」



「いや、いい!……そうじゃないから」



笹山さんの余計な気遣いに、慌てて静止にかかる。



命に携わる仕事をしているんだから、安易に邪魔できない。



夏実は邪魔にならないよう、忍び足で処置室の方へ向かった。



「そう……」