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目を覚さない航兄ちゃんは死にはしないけど、ずっとこの先、寝たきりなんだと思っていた。
だけど、航兄ちゃんが死ぬという概念がなかった僕や、そして、家族の皆んなが突如、航兄ちゃんの容体が急変し、残酷な現実に茫然としていた。
あれだけ延命治療の話が進んでいたのに、
自発呼吸すらできない状態。
また心臓が止まった航兄ちゃんは、
先生から電気ショック治療を受けていた。
でも、中々心臓を動かさない航兄ちゃんを見兼ねて、父さんは電気ショック治療を止めさす。
痛めつけらる航兄ちゃんを見て、「可愛いそうだから」、「痛がってるから」って涙を流していた。
「よく頑張った」と励ますよう家族に囲まれて、航兄ちゃんは息を引き取った。
若すぎる突然の死に、家族は泣いていたし、琴美姉ちゃんなんて悲鳴に近かった。
だけど、航兄ちゃんが死んだっていう実感が湧かない僕の目には、一滴の涙すら浮かばない。
ただボーっと、ピクリともしない航兄ちゃんを眺めるだけ。
それに、どういう運命なのか分からないが、
今日は僕の誕生日。
決して忘れることができない夜となった。
目を覚さない航兄ちゃんは死にはしないけど、ずっとこの先、寝たきりなんだと思っていた。
だけど、航兄ちゃんが死ぬという概念がなかった僕や、そして、家族の皆んなが突如、航兄ちゃんの容体が急変し、残酷な現実に茫然としていた。
あれだけ延命治療の話が進んでいたのに、
自発呼吸すらできない状態。
また心臓が止まった航兄ちゃんは、
先生から電気ショック治療を受けていた。
でも、中々心臓を動かさない航兄ちゃんを見兼ねて、父さんは電気ショック治療を止めさす。
痛めつけらる航兄ちゃんを見て、「可愛いそうだから」、「痛がってるから」って涙を流していた。
「よく頑張った」と励ますよう家族に囲まれて、航兄ちゃんは息を引き取った。
若すぎる突然の死に、家族は泣いていたし、琴美姉ちゃんなんて悲鳴に近かった。
だけど、航兄ちゃんが死んだっていう実感が湧かない僕の目には、一滴の涙すら浮かばない。
ただボーっと、ピクリともしない航兄ちゃんを眺めるだけ。
それに、どういう運命なのか分からないが、
今日は僕の誕生日。
決して忘れることができない夜となった。


