「ぶっちゃけさぁ〜仁からしたら、俺らって下手くそだよね?」



海斗が僕に投げかけるように、

問いかけてくる。



答えの返し方に困る僕は、

本当のことなんて言えっこない。



というより言える資格なんてなかった。



努力している奴に、

僕と違って逃げずに頑張ってる奴に、

言えるわけがない。



「え?何んだよ急に?!別にそんなこと……」



「いいって!俺ら高校からバスケ始めたばっかで、下手っぴ連中だからさ。

仁みたいに上手くないのは分かってる。

でもね、上手くなりたいっていう気持ちは、人一倍あると思うんだよね。

だから、仁がいてくれたら俺ら……もっと上手くなれると思う」



「いや、そんな俺がいなくても……」



僕を必要としてくれていること。



素直に嬉しかった。



それと同時に、

海斗たちのことを見下していたこと。



自分が情けなかったし、

僕みたいに一度、

挫けた人間なんかより、

必死に頑張ってる海斗たちの方がよっぽどカッコよかった。



だから、バスケ部に入るのは、

場違いだなって断ろうとした。



断ろうとしたけど、

海斗は僕の言葉を遮るように、

熱い気持ちを僕にぶつけてきた。



「仁、バスケ部に入れよ!俺は仁とバスケがしたい!」



「え!」



こんな僕に、この僕と……バスケがしたい?



海斗は嘘偽りのない満開な笑みを浮かべては、また僕に言った。



「一緒にバスケしようぜ!なぁ?」



僕は考えるより先に、

口から「うん」と溢していた。