ふたり同時に左右の耳に顔をよせて「大好き」と言われたときは卒倒しそうになってしまった。

大きく手を振ってグラウンドへ戻っていく洋介くんに清美は呆然としている。




「ちょっと、いつから大塚くんと仲良くなったわけ!?」



「色々と事情があってさ……」




事情とはもちろん原稿を受け取りに行ったときのこと。

だけどそれは言えない。

清美が相手でも絶対に秘密だ。

きゃあきゃあ騒いでいる清美をよそに私はあみものを続ける。

そうだ。

今回のクマは少し小さめにして、2体作ろう。