屈託のない笑顔を向けられて頬がカッと熱くなるのを感じる。

あの日依頼、双子とは学校内でちょくちょく会話するようになって、今では紗季ちゃんと呼ばれるようになった。




「よ、洋介くん、部活頑張ってね」



「ありがとう! 紗季ちゃんのために点を取るよ!」




その言葉に胸がきゅんっと音を立てる。

今のは伊集院薔薇先生の作品に出てくるセリフだ。

最初は俊介くんが面白がって初めたきゅんセリフだったけれど、最近では洋介くんまで同じように私にささやきかけるようになっていた。