まさかあのふたりが憧れの伊集院薔薇先生だったなんて。

私はグラウンドの手前にある石段に腰をかけて校庭を見つめていた。

今は放課後で、サッカー部の生徒たちはウォーミングアップを初めているところだった。




「今日はどうしてこんなところで編み物しようと思ったわけ?」




隣に座っている清美にそう指摘されて編み針を落としてしまいそうになる。




「き、気分転換だよ」