でもそんな我儘は必要なかった。 送り出して、ちょうど一週間。 無口になってお店に帰ってきた琉さんの心のモヤモヤを晴らして、私の不安で暗い気分も、おかげでスッキリ明るくなった。 「…おかえりなさい」 「ただいま。許してもらえたよ」 顔合わせの席で暴れたことを許してもらえて、強張っていた表情が柔らかくなった琉さん。 数時間前に会っていたはずなのに、近くにいなかったことが今さら寂しく思えてきて、何も言わずに抱きついた。