長男が苗字を継ぐから俺まで継ぐ必要はないと言われ、許婚が告げられた。 嫁ぐ先は、会社名を知らない人はいない有名企業。 一人娘らしく、苗字を残すためにも婿を取りたいと社員でもある俺の父親に声をかけたらしい。 「話は進んでるから、今度顔合わせの日を決めよう」 「え、待って。俺に話す前に進めたの?了承したってこと?」 「こんな良い話、ないだろう。俺の顔も立ててくれよな」