俺の母親は男腹で、産まれてくるのは男ばかり。いつも家の中はやんちゃに散らかっていた。 三人目に産まれた俺は家族から甘やかされて育ち、このまま自由に生き続けられると思っていた。 「…婿養子?」 長男は苗字の後継。次男は自身の希望で、結婚相手の苗字を名乗り。 結婚はまだないと呑気に過ごしていた俺に、突然両親から提案されたのは、名家の婿養子。