亮平のプロポーズから2年。
 本日、私と亮平は母校の大聖堂でハレの日を迎える。

 
 正式な婚約者となった後、私と亮平は藤田の屋敷で同棲を始めた。 

 事の発端は婚約して初めて、純平くんのお家へご挨拶に行った時のこと。

「婚約おめでとう」
「ありがとう。なんか、ちょっと改まると恥ずかしいけど」
「結衣ちゃんが亮平を受け入れてくれて本当に良かったよ。こいつ、生まれた時から『ゆいこ、ゆいこ』って言ってたからなぁ」
「俺は麻衣子おばさんに育ててもらったようなもんだからな」

 純くん、相変わらず、亮平が可愛くて仕方がないって感じだな。息子を見るような目をしていると思う。

「俺はさ、就職と同時に実家を出てしまったから、本当はもっとそばにいてやったら良かったって、いつも罪悪感があった。特に、こいつが変な潔癖性になった時も、後で聞いて知ったから……ショックだったよ。でも、枚岡家のおかげで、ここまでデカく育ったし、結衣ちゃんのおかげで、学校でも浮かずにやってこれたんだと思う」
「純くん……」

 純くんには全く責任はないのに、やっぱり変わらず優しい……。