私と亮平は、百合絵おば様が出産からわずか1ヶ月で職場復帰したため、幼馴染というよりはもっと密で、私の母の手によって、双子のように育ったと言っても過言ではなかった。

 亮平よりほんの少し早く生まれた私は、長女でお姉ちゃんということもあって、お隣の末っ子の面倒をずっと見てきた。

 光太郎と同列……というか光太郎より我儘で可愛くて手がかかる存在、それが亮平だった。

 なんと言っても、百合絵おば様の美貌を受け継いだ亮平は、幼稚園の頃から他とは一線を画した整った顔立ちだった。

 中身は家族から甘やかされて育ったため我儘で俺様気質。でも末っ子らしく、幼児期から目上の人に気に入られるコツも自然と身に付けていた。

 俺様で人たらし。

 そのギャップが彼の魅力で、小さい頃から彼の周りには友人がいっぱいいた。
 もちろん、女の子にもモテた。

 そんな亮平が私の自慢だった。

 対する私は、枚岡家特有ののくっきり幅の太い二重まぶたを受け継ぎ、目が大きいのに、いつでもおっとり眠たそうに見えるらしい。
 実際、テキパキ行動できるタイプではないんだけど。
 ゆいちゃん、いつも眠そうねー? と言われるのは心外だった。
 そういう顔なの! と小さい頃は反抗したが、今では受け流す術も心得ている。
 
 俺様亮平とよく泣く光太郎の面倒をみてきたため、忍耐力は人一倍ある方だと思う。