入院中、亮平はほとんど自宅に帰らず、私の個室か病棟の仮眠室に寝泊まりしていた。

 大部屋で良かったのに個室に入れられたのは、そこを見越してのことだったみたいだ。

 ものすごく心配してのことだったから、私も帰れとは強く言えなかった。正直心強かったし。
 幸い高位破水で穴も小さかったのか、すぐ塞がり、3週間程で退院した。

 それから大事にしすぎたのか、結局予定日を6日ほど遅れての出産になった。

 17時間の陣痛の末産まれてきた鉄平は 3.600gの、大きめな赤ちゃんだった。

 もちろん立ち会い出産。

 産まれてきた瞬間の亮平の顔は忘れられない。私よりポロポロ涙を流して……ハッキリ言って号泣だ。

 私の方は、出産直後だというのに、その姿を見て落ち着いてしまったほど。
 まあ、すぐに後産があったからそれどころじゃなくなってたけど。

 フフフ……でも、嬉しかった。やっとこの手に我が子を抱くことができて。
 亮平をパパにしてあげることができた。無事に産まれて良かった。

 生まれて半年が過ぎたけど、何もかもが順調で怖いくらい。幸せ過ぎて。
 隣が実家なので、毎日麻衣子ばあば(本人の希望でこう呼ぶことに)が来てくれるから、育児で悩むこともなかったし。
 本当に恵まれた環境だと思う。