携帯電話、彼との距離

名前は凡人が使える一番短い呪いだ。
のろいと読むかまじないと読むか、それは人によって違う。

私の名前は(まじな)いだ。元々、鈴というのは古くは神具に使用されていた。
音は厄を払う。そう母はつねづね私に言っていた。


ーーーぶっちゃけ、私はそんなことは信じないが、これはーーー

私の名前は、形見なのだ。


『どこにいても、私はあなたを見つけるわ。持ってなさい…』

母の声を思い出す。

私は真新しい鞄につけているキーホルダーにそっと触れた。