渡されたのは、ホテルマンの制服のような赤いワンピースだった。しかし、雪は突然の出来事に動けない。すると新が近付き、またパジャマに手を掛けた。

「や、やめてください!」

雪は抵抗したものの、あっという間にパジャマは脱がされ、雪はワンピースを着せられてしまう。恋人でもない異性に体を見られ、雪は羞恥心から泣いてしまいそうになった。

「やっぱりあなたには赤色がよく似合う」

新はそう言い、雪の頰に触れた。雪が逃げようとすると素早く抱き締められ、逃げる隙がない。

「な、何でこんなことを……」

声を震わせながら雪は言う。新はただ幸せそうに笑っていた。まるで、恋人との触れ合いを楽しんでいるかのように。

「酷いじゃないですか」

新は雪の髪を撫でながら言う。

「僕は今まで、あなたに優しく接してきました。そうすれば少しでも僕のことを考えてくれると思って。なのにあなたの頭の中はいつも、推しとかいう男のことばかり。攫いたくもなりますよ」