澄ましたメイドのご主人様。

「にかいめ。ねぇ花蓮,軽くって,どれくらい?」

「そんなの自分で考えてください」



私に聞かないで。



「いいの? 俺の軽くと花蓮の軽く,違っても文句言わない?」

「いい……ます」



くすくす,と笑った茉俐様。



「花蓮,ずっと思ってたんだけど。様って邪魔だから取って」



そんなアクセサリーみたいに言われても。

でも,恋人の望みは叶えるものだ。



「……茉,俐」



改めて綺麗な名……



「なあに? 花蓮」



掠めとるように,茉俐の唇が触れた。

少し離れて,また繋がる。

ちゅうと奪うようなキスは,私を翻弄して。

なのに優しさを感じるのが,アンバランスで。