「ええ?やっぱり知ってたんですね……恥ずかしい……」

「あはは。嬉しそうに買いに来てくれて店員も喜んでいた」

 その日の夜から、課長の作る美味しい夕飯を食べさせてもらうことが出来た。

 もちろん、課長のほうが忙しいことも多いので、いつも作っているわけではない。

 朝も課長のほうが先に出ていくことが多い。

 週末以外は、顔を合わせないこともあった。

 餌付けされているという認識が薄い私は、快適な毎日と仕事に忙殺され、すっかり家探しを後回しにしてしまっていたのである。