「士貴様、ありがとうございます」


 士貴様を見ると髪が夕日に照らされて輝いていてとても綺麗だなと思った。
 夕日が沈んでしまい、暗くなる前に戻ろうということになり転ばないように手を繋がれる。


「……沙梛、話があるんだ。聞いてくれるかい?」

「は、はい。なんでしょう」


 彼は真剣な表情で私を見つめる。


「沙梛さん、俺は君のことが好きだ。一生涯かけて幸せにする……だから、結婚してほしい」

「わ、私で本当にいいんですか?」

「沙梛さんがいいんだ。俺のこの先の人生、隣には沙梛しか考えられない。そろそろ焦っているんだ、君が表舞台に出てしまったから取られてしまうのではと不安なんだよ」

「えっ……」


 士貴様は私の手を取ると、手の甲に唇で軽く触れた。


「大好きだ……いや、愛している。沙梛。夫婦になりたい」

「ありがとうございます、士貴様。とても嬉しいです。私も……私は、貴方のことをお慕いしています。叶うなら、士貴様と夫婦になりたいで――」


 途中で士貴様は遮ると手を引き、私を抱きしめた。