「さすが、櫻月家の次期当主さまだね。じゃあ、沙梛さんもそれでいいよね?」 「はい、勿論でございます」 「決まりだ。準備もあるだろうし今日のところは解散しよう」 東宮様はトントン拍子に決めてしまい、帝や女御様にも許可を得るとどこからか彼に仕える女官と召人(めしうど)が出てきていらっしゃって私と綾様を別室に案内された。