翌日の夜になり、暗くなり始めた十八時ごろ。

 紗梛は士貴から贈ってもらった腰ラインが膨らんでいて白綸子地に橘柄が刺繍されており型絞りで装飾されているバッスルドレスを着せてもらい、化粧を施され、髪もドレスに似合うように結ってもらった。


「これ、似合ってますか……?」

「えぇ。可愛いわ」


 郁世様に大絶賛されソワソワしながら玄関へ向かうと、下には青色のサテン地に金糸を使用して刺繍されているコートを着ている士貴様とモーニングコートの貴文様がいた。


「士貴様、お待たせしてすみません」

「いや。まってないよ……綺麗だ」

「ありがとうございます、士貴様も素敵です」