部屋を用意していただいて私は、華が楽な着物を用意してくれて着替えると部屋にあるテーブルで春がお茶を淹れてくれる。

 そしてお茶の隣には最中らしきお菓子があった。これって……


「紗梛様、先ほどはあまりお菓子を食べられなかったでしょう? 大奥様付きの侍女から渡されまして」

「そうなんですか? 晩餐まで時間まであるし、小腹が空いていたの」


 お菓子を持ち上げると、生地の香ばしい香りがふんわりと香り口に入れればサクッと香ばしい食感と中に詰まっていた粒あんの小豆の風位が鼻を通って甘くて美味しい。それを食べながら茎茶を飲む。

 旨味が強くて爽やかな香りが特徴のお茶で最近のお気に入りだったりする。
 その後は春たちとお話をしたりして晩餐の時に着る着物を着付けてもらい、時間がくるのを待っていた。暗くなった頃、部屋に迎えに来た士貴様と一緒に食堂へ向かった。