「紗梛さん、もうすぐ邸に着く」

「早いですね。低に士貴様のご両親がいらっしゃるのですか?」

「あぁ。紗梛さんに会うのを楽しみにしている。仲良くしてもらえたら嬉しい」

「はい。もちろんです」



 それから帝都に入り中心部に向かうと、本宅とは少し小さめだが装飾が派手なお屋敷に到着した。


「これは、……両親の趣味だ」

「そうなんですね」


 キラキラしていて別世界だなぁと考えていると先に降りた士貴様に手を差し出されて私は手を添えて馬車から降りた。


「ありがとうございます」


 士貴様は微笑むとそのまま手を引いて屋敷の前まで案内してくださった。