「春さん、花奈さん。初めまして、櫻月紗梛です。どうぞよろしくお願いします」


 私も彼女らにお辞儀をすると「頭を上げてくださいっ」と春さんに言われてしまい、頭を上げた。

 それから部屋の中を案内してもらって夕餉が整うまで部屋で休ませてもらうことになったが、春さんに綺麗なお着物に着付けてもらい着るとお茶を飲みながら時間が来るまでゆっくりした。

 こんなのんびりした時間は母が生きていた頃ぶりだったからとても穏やかな時間を過ごすことができた。