「ということは、このまま眠るしかないわよね」

 姿見の前に移動し、自分を見た。

 短めの黒髪、黒い瞳、けっして美しくも可愛くもないどこにでもあるような顔、小さい体。

 ヴィクターが心の中で絶賛してくれていたけれど、彼はもしかして目が悪いのかもしれない。あるいは、感覚が他の人とズレているのか。

「そうよね。軍はほとんどが男性でしょうし、レディならどんなレディでもまともに見えるのかもしれないわね」

 そう結論付けることにした。