『もっとおれを責めてくれ。それで、おれに渋々『うん』と言わせるんだ』

 国王の心を、真の声が心にしみ込んでくる。

 自分の力の開花に気がついたいま、それが他人の本音をきける力だとわかったいま、なぜか大きくて強面の国王が怖くなくなった。

 人間とは不思議な生き物である。

 というか、わたしが単純な思考や感情を持っているだけかもしれない。とにかく、彼のことが怖くなくなったのである。

 たとえ彼が謎だらけの人物であろうとも。彼には悪い噂や怖い噂しかないとしても。