無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

『う……ん。彼女、美しいのとはなんか違うよな。可愛いって方がまだしっくりくるかな? だけど、レディは美しいって言った方が機嫌がいいからな。いまのはあれでよかったよな』

 チャーリーの言い方にひっかかっていたとき、またしても頭と心に直接しみ込んできた。

(ちょっと待って? いまの、たしかにきこえたわ。というか感じたわ。声、じゃないわよね? チャーリーの本音? そうよね。声に出しているんじゃない。わたしにしかきこえなかったのよね。というか、感じられなかったわよね。少なくとも、あとの二人はわからなかったはず。ということは、彼の本音、心の声が、ほんとうの気持ちがわかるわけ?)

 ますます混乱する。そのとき、脳裏にある光景が浮かび、すぐに消えた。