「とにかくです、陛下。いまさら追い返せますか? 生贄などという非人道的な表現はともかく、素敵な花嫁を紹介されたと考えれば、なんら問題はありません。陛下にとっては、これは願ってもないチャンス。なぁおまえもそう思うだろう、チャーリー?」
「ああ、パーシー。ふだんは気が合わないが、今回は同意するよ。レディ、さぁこちらに。おれが紹介します。陛下。こちらは、サエ・アンダーソン令嬢です」

 チャーリーがわたしの手をひっぱって、前に立たされてしまった。

 顔を上げることが出来ないまま、国王の鋭い視線を感じずにはいられない。