執務室に一歩足を踏み込んだ瞬間、「生贄だと? バカバカしい。おれは、大昔の魔物かなにかか?」という怒鳴り声に耳が痛くなった。

 その場に凍り付いていた。文字通り体が動かない。

 顔を上げることさえ出来ない。

 うつむいてその場に立っているしか出来ないでいる。

 気配は感じる。

 この執務室も他の多くの執務室と同じで、奥に執務机があるみたい。

 国王は、執務机の近くに立っているみたい。