無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

(お母様は、そのことを知っていたのかしら?)

 ときおり、ふと考えてしまう。

 知っていたのだとすると、どれだけ悲しかったことか。寂しかったことか。

 いまのわたしなら、それがよくわかる。

 わたしもまた同じような境遇にいたから。

 書物に出てくる王侯貴族のスキャンダル系の話と似たよなものである。