ウォーターズ帝国への援助は、着々と進んでいる。

 わたしは、いったん祖国に戻ることにした。

 そして、力を使うのである。というよりか、祖国にただ行くだけでいい。

 わたしは、そこにいるだけでいいらしい。祖国に行けば、いまの状況がいい方向に好転するかもしれない。

 祖国に行く。帰るや戻る、ではなく。

 わたしは、すでにこのオーディントン国の人になっているのかもしれない。

 それはともかく、祖国に行くことはせめてもの罪の償いだと自分では思っている。

 偽善とか自己満足の感は拭えない。それでも、なにもしないよりかは精神的に楽なことはたしかである。

 そんなわたしに、ヴィクターたちもついて来てくれることになった。