「心配はいらぬ。貴様らが愛してやまぬウォーターズ帝国の民は、わが名において救う。わが愛しのサエ、奴らをどうしたい? おれは、愛するきみの希望通りにするつもりだ」

 ヴィクターが初めて人前でわたしの名を呼んでくれた。

 そして、いまのところ彼の「真実の声」は流れ込んでこない。

 ということは、いままで彼が元夫と義姉に告げたすべての言葉は、演技ではなく本心ということになる。