正直なところ、元夫と義姉に会うまでは自信がなかった。逃げだしたくなったり、怯えてしまうかもしれないと怖れていた。

 それでも、自分自身の為、ヴィクターの為、ウォーターズ帝国の多くの人たちの為に立ち向かわなければならないと自分自身を叱咤し、会うことにしたのだ。

 過去の自分と向き合い、捨て去る。

 そして、前を向いて信じるのだ。

 未来を、それからヴィクターのことを。

 このとき、彼のことが好きなのだとあらためて自覚した。

 いいえ。彼を愛しているのだと痛感した。