「素晴らしい生贄だ。わが国では、生贄に差し出されたレディはなにより大切にする。妻としてな。おれは、彼女のことが愛おしすぎてすっかり参ってしまっている。自分でもどうしようもないくらいにな。いまのおれは、彼女の為に生きている。彼女こそすべて。よって、彼女を蔑み虐げ苦しめてきた貴様らのことは、国王として彼女を心から愛する者としてぜったいに許さぬ」
「バカなことを言わないで。なにが参っているよ。なにが『愛おしい』よ。サエの聖なる力を利用したいだけでしょう? こんなことになったのも、その性悪女が小細工したからよ」
元夫より義姉の方がはるかに強かった。
彼女は、ボロ雑巾のような髪を顔面にまとわりつかせつつ全力で叫んだ。
「バカなことを言わないで。なにが参っているよ。なにが『愛おしい』よ。サエの聖なる力を利用したいだけでしょう? こんなことになったのも、その性悪女が小細工したからよ」
元夫より義姉の方がはるかに強かった。
彼女は、ボロ雑巾のような髪を顔面にまとわりつかせつつ全力で叫んだ。

