祖国を不運に陥れた張本人が、しあわせになってはいけない。同様に不運に見舞われるべきだと。

 わたしはいま、負のループに陥っている。その中でもがき苦しんでいる。

 その苦しみから逃れられる方法はない。すくなくとも、自力ではムリかもしれない。

 そして、事件は起きた。

 国境で難民たちにまじり、越境を試みた男女がいた。

 その男女は、目を光らせている駐屯地の兵によって見つかり捕まった。そして、すぐに駐屯地に護送されてきた。