あっという間だった。それこそ、眠って朝を迎えたらすべてが終わっていた、というぐらいはやかった。実際は、そこまでではないにしろ予想をはるかに上回る急展開を迎えていた。

 祖国ウォーターズ帝国で反乱が起こり、わたしの元夫というよりか皇帝ネイサン・サッカリーとその正妃サブリナは行方知れずとなった。

 彼らは、皇宮に反乱軍がなだれこんでくる前にそれを察知し、いちはやく逃げだしたらしい。最後まで彼らに味方した貴族や官僚や支持者たちには内緒で。