「キンッ」

 またしても金属同士のあたる嫌な音が耳をつんざいた。

「キャアッ!」

 そのときには、アイリーンがふっ飛んでいた。

 そして、彼女たちは時間差で稽古場の板張りの床に背中から落ちた。

 どちらもピクリとも動かない。

「勝者サエッ!」

 キャロルの勝利宣言を耳にしてもなお、現実を認められないでいた。