「きまりね。約束、ちゃんと守ってもらうから」
「王女殿下こそ、守っていただきますよ」
「王女殿下こそ、守っていただきますよ」

 双子の姉妹たちは、ヤル気満々である。二人とも、美しい顔に気合いをみなぎらせている。

「では、つぎの満月の夜ね。それまでにサエに剣を握らせる特訓をしないといけないから、失礼するわ」
「キャ、キャロル様っ、ちょ、ちょっと待って下さい」

 そして、わたしの制止の叫びも虚しく、また彼女に腕をひっぱられて客間をあとにした。

 こうして、わたしはまたあらたな試練を与えられたのである。

 つぎこそは、完全に終わってしまうかもしれない。

 あらゆる意味においての終わりを迎えてしまうかも。いいえ。ぜったいに終わる。