「サエ、大丈夫よ。わたしもいるし」
「キャロル様の剣の腕を疑っているわけではありません。わたしなのです。足を引っ張るどころの騒ぎではありません。どうかおやめ下さい。わたしがどうかなるのはかまいません。ですが、キャロル様とヴィクター様の名声を穢すようなことになったら大変なことになります。ヴィクター様にいたっては、人生を左右することになります。ですので、そのような絶望的しかない賭けには応じられません」
「その勝負、受けて立ちます」
「その勝負、受けて立ちます」
「はぁぁぁぁぁ? ビアトリス様、アイリーン様。こんな無茶苦茶な勝負を受けるだなどと、ぜったいにやめて下さい」

 せっかくやめるようキャロルを説得しているというのに、双子の姉妹は勝手に了承してしまった。