『キャーッ! 彼女、なんて可愛いの? ギュッと抱きしめたいわ。こんなに小さくて可愛い娘がいるなんて、世の中捨てたものじゃないわね。レディ嫌いの弟が参ってしまうわけよ。だったら、姉として一肌脱がないと。この娘をなんとしてでも妃にするのよ。わたしが守り抜くだけでなく、このオーディントン国一のレディ戦士に育てるのよ。最強の戦士である『野獣の王』の伴侶として、ね。ああ、どうしまyそう。いまから『野獣の妃』の誕生が楽しみでならないわ』

 困惑していると、王女の「真実の声」が流れ込んできた。

(嘘、でしょう? わたし、いったいどうなってしまうの?)

 神はわたしから永遠に自由を奪っただけでは飽き足らず、絶望的な試練を与えたみたい。

(神よ、わたしはあなたになにかしましたか?)

 心の中で天を仰ぎ、神にそう問わずにはいられなかった。