その攻撃的なノックをする人物は、すくなくともパーシーとチャーリーではないことがわかる。

 そんなことを考えている間にも、攻撃的なノックは執拗なまでに続いている。よくきいてみると、攻撃的なだけでなく複数人がノックしているように感じられる。

「どうぞ」

 とりあえず、そう言うしかない。

「『どうぞ』ですって? えらそうに、そっちが開けなさい」
「そうよ。わたしたちに扉を開けさせるなんて、何様のつもり?」

 驚いた。

 扉の向こうからきこえてきた声は、まぎれもなくレディのものだったからである。

 そう認識したときには、扉へ向かって歩いていた。