「ああ、そこですか」

 右隣のパーシーが言った。

「そこ、気にするところなのでしょうか?」

 左隣のチャーリーも言った。

「わたしはウォーターズ帝国の皇帝の元妻とはいえ、政治経済に明るいわけではありません。そもそも元夫である皇帝じたい、それらに興味がありませんでしたから。その為、宰相が実権を握っていました。皇帝は、お飾りにすぎない存在といっても過言ではありません。そういう国の末路がどうなるのか? 書物にたとえるのはよくないと思いますが、たいていはよくないことが起こりますよね。この大陸のあらゆる国々の歴史をみても同様です」

 それこそ、実権を握っている者による反乱などが起こる。それは、そのまま大混乱へと続く。